FC2ブログ

2019-10

ショックを受けた本

これは 日本人全員に読んで欲しいくらい貴重な本だと思いました。

永遠の0 百田尚樹

「0」は数字のゼロではなく、戦闘機「零戦」のゼロです。

物語は 亡くなった自分の祖父の過去を調べる兄弟が 祖父と軍隊で一緒に
いた経験のある方を何人も訪ね歩いて、当時の話を聞くという形で展開していきます。

祖父のことを調べるうちに、太平洋戦争末期の 絶望的な戦いの様子を聞くことに
なるのですが、これは いちおう小説という形を取ってはいても、登場してくる士官の
名前、零戦の伝説のパイロットの名前をウィキペディアなんかで検索してみると実在して
いた方たちが多いようで、いかに戦争末期、軍の上層部「大本営」は 非情で
無謀な戦いを兵士達にさせ、自分は責任も取らず(その体質は今の「官僚組織」と
同じだと書かれています。)兵士の命を 機械や飛行機よりも軽く扱うような命令や
作戦指令を出していたかということが明らかにされていて、戦争を知らない世代と
しては 衝撃的な内容が多かったです。

「神風特攻隊」の存在や人間魚雷の「回天」というのはテレビなどで見聞きした程度に
知っていましたが、人間ロケット弾の「桜花」というのは 私はこの本で初めて
知ったので、衝撃を受けました。

離陸も着陸もできず操舵もできない、飛行機から切り離された後 ただ ものすごい
勢いで上空から落下し、敵艦めがけて突っ込むという、こんな非人道的すぎる兵器まで
作り上げた 当時の日本。

当然 2,3トンの飛行機をぶらさげた動きの遅い飛行機は 敵機が多数待ち構えて
迎撃してくる中で、敵艦に近くにたどり着けるはずもなく、目的を達成するはるか前に
打ち落とされてしまうのがほとんどだったらしいのですが、戦時中とはいえ、こんなにも
人の命を軽視した兵器があったとは・・・。

兵学校から陸軍大学校、海軍大学校を経て軍の上層部になった人たちは 現場の戦地の
酷い状況も知らず、まさに「狂気」とも言ってよい、勝ち目のない無謀な作戦や戦いを
命じ、東南アジアなどの南方では 後方支援からも見捨てられた陸軍兵士が大量に餓死
していく。

また、「全滅」を「玉砕」、「敗退」を「転進」と言い換えて美化し、「一億総玉砕」
などとあおった当時の大本営や新聞。

しかし「天皇のために死にたい」など誰ひとり思っていなかったはずとこの本には
書かれています。
戦地から「生きて帰りたい」と出征前に口にすることさえ、はばかられ、
家族への手紙も全て検閲されていたので、本当の気持ちは家族にさえ伝えることが
できず、亡くなっていった300万人以上の日本の若者。

当時の状況が痛々しく伝わってきて、ショックも受けたし、涙も出ます。

今の平和な日本に生まれ、完全に平和ボケしている私達ですが、先の世界大戦で
どれだけの兵隊さんや民間人が犠牲になり、おびただしい血を流してきたか・・・。

それを考える為に、また ずっと忘れてはならない為に、読んで欲しい日本の
戦争の歴史の本でもあります。



高校生でも分かる脳科学の本

この本はとても面白かったです。読みやすいし、脳科学に興味のある方にはおすすめ。

単純な脳、複雑な「私」

脳科学者である筆者が高校生達を相手にした特別授業の内容を本にしたものですので、
難解な用語も出てこないし、実験も交えながら 分かりやすく脳の曖昧さについて
説明しています。

「脳科学」って言ったら、茂木健一郎さんなんかがちょっと前テレビによく
登場していたり、キムタク主演で"Mr.Brain"なんていうドラマがあったりなんかして
少し前にブームだったような気がしますが、私も「脳」に興味を持っている素人の
ひとりです。

この本を読むと、脳ってけっこういい加減というか、アバウトだなぁ~というのが
分かります。

例えば、同じ長さの縦棒と横棒があったら、どうしても縦のほうが長く(脳には)見えて
しまうことや、人の顔なんて 実は右半分(向かって左半分)しか見ていない・・・なんて
のは 面白かったです。

人に対面したときに向かって左半分しか顔を見ていないのは イメージを司るのが
「右脳」だから(左側の視野で見たものは右脳に届くと)いう単純な理由。

だから、人に合うときは 自分の顔の「左半分」よりも「右半分」に、より時間を
かけて念入りにメイクしたほうが良いとか、お店で一番売りたい商品は 入り口から
入ってすぐ左に陳列したほうがいいらしいです。

好きな人に告白するのは 高くて狭い橋の上とか、恐怖を感じるところのほうが
ベター(心臓がドキドキするのが 恐怖でドキドキするのか、異性がいるから
ドキドキするのか、脳がどっちか分からなくなってしまうそうです。)とか、
スポーツにおける「頑張れ」という言葉の持つ効果とか、日常生活に役立つ(?)ものも
いくつかありました。

ヒトの脳って一度見たものは絶対覚えているというし(私達が思い出せないだけ)、もっと
「緻密で高精細」なものかと思っていたら、意外とアバウトだったり勘違いもたくさん
しているし、自分の行動の理由を 脳が後からこじつけたりしているのだというのが
分かって、とても面白かったです。

雇用についての「常識」をバッサリ切った本

これはリクルートに勤めていた方が書かれた本です。
雇用の常識「本当に見えるウソ」

私達が一般的に常識だと信じている雇用についての下記のようなことを 実態は
違う(常識ではない)のだと統計データを多数引用しながら、痛快に切りまくっています。

●「終身雇用は崩壊した」という常識 → 以前から「新卒」で終身雇用なんて人は
わずかにしかいなかった。統計上、実際は20代のうちには数回転職後、終身雇用という
パターンが昔から(50年代から)続いており、そのパターンは今でも変わっていない。

●「年功序列が崩壊し、能力主義,成果主義になった」という常識 → 日本に
本当の「成果主義」は存在せず、「早期退職制度」や「役職定年制」によって、
55歳以上の給与がダウンしただけ。

●「正社員が減って派遣社員が増えた」という常識 → もともと製造業では
「業務請負」として外部の従業員を大量に抱えてやっており、数十万人の請負社員が
派遣に付け替えられただけであって、生産年齢人口に対する正社員の人数自体は
減っていない。

などなどです。


「雇用」についての思い込み以外のものでは 連日テレビで犯罪の報道をしているので、
ここ数年、凶悪犯罪が増えたかのように思ってしまいますが、それも大きな間違いで 
凶悪犯罪や少年犯罪の件数は明らかに減っているそうです。

ニュースの報道などを見て、思い込みで「常識」として刷りこまれていたことって如何に
多いか・・・というのを あらためて考えさせられました。


生と死の生命科学

これは最近読んだ本ですが、とても興味深かったです。
われわれはなぜ死ぬのか 死の生命科学

著者はコロンビア大学大学院で生命科学を学び、三菱化成生命科学研究所主任研究員を
経て、現在はサイエンスライターとして多数の著書を執筆されている柳澤桂子さんです。

細胞やDNAというところから「生」と「死」とは どういうものなのか、現在の
生命科学の分野での新しい知見を交えながら 解説しています。

36億年前、海から初めての生物(細菌)が誕生し、それが有害である紫外線を
生命活動に利用しようと光合成をするようになって地球上に酸素が発生、そこから
酸素を活用して呼吸をする好気性細菌が出現、それが真核生物のミトコンドリアの
原型となって、単細胞から多細胞生物へと進化していく過程が とても興味深く
書かれています。

そして紫外線によって傷ついたDNAを修復したり、修復不可能なものはアポトーシスに
よって能動的な細胞死へと導くといったような私たちの身体に備わっている機構によって
上手くコントロールされているものが 癌や老化によって上手く調節できなくなった
結果が「死」だと。

「生」についての記述も面白いです。
男性は一生精子を生産することができるが、そのほとんどは卵にたどりつくまでの
能力が元々ないこと、女性の場合、卵子の元となる卵母細胞の数が 出生した時には
二百万個もあってそれがどんどん成長するとともに激減していくことから分かるように、
生殖細胞は 他に例のないほど 無駄なものを多く捨てているばかりいる細胞だと。
そして受精した後でさえも、環境に不適応だと判断した場合には流産させたりして、
いわば 厳選した個体だけを世に残そうとする。

そう考えると 当たり前のことだけど、個人個人が 今ここに存在しているのは 
まさにものすごい確率から選ばれた「奇跡」なのだし、そうやって厳選に厳選を重ねて
選りすぐられた超優秀な人間なのだから、命は大事にしなければいけないということ。
そして、母親の胎内にいるときから死へのカウントダウンが始まっていて、死は絶対に
避けられないものなのだから、1日1日を大事にしなければいけない・・・ということを
あらためて考えさせられた本でした。



「格差」の戦後史

「格差」について興味の無い人にとっては退屈な本だと思いますが、私は図書館で
借りてきて、興味深くこの本を読みました。

「格差」の戦後史 階級社会 日本の履歴書

この本では戦中・戦後、高度経済成長期、現在に至るまでの「格差」の歴史を
「階級」という切り口から、色々な統計資料を引用しつつ 解説した本です。

この本で書かれている「階級」は

A.「資本家」階級 従業員5名以上の経営者

B.「新中間」階級 管理職や専門職、官公庁勤めの男性事務職(大部分が管理職に
   昇進する可能性を持つ人)

C.「労働者」階級 A,B,D以外に属する人

D.「旧中間」階級 従業員5名未満の経営者、自営業者

の4階級に分け、それぞれの層に属する人達の割合や生活ぶりが時代とともに
どう変遷していったかを説明しています。

この本で格差について解説されているのは 戦中と戦後から現在に至るまでだけの
ものですが、格差や階級はずっと昔からあったし、将来的にも なくなるもの
ではないと思います。

ただ、注目すべきは 格差があるのがいけないのではなく、格差の「世代間連鎖」では
ないかと私は思いました。

たとえば2005年のデータとしてこの本に記載されているのですが、
資本家階級の人は全体の6%しかいないのに、親が資本家階級であって、その子が
資本家階級になるのが29%もいて、他の階級の子が資本家階級になる確率(3.2~
4.9%)に比べて圧倒的に高いことです。

さらに、子を雇用してすぐに、いきなり経営者にさせるという親は少ないので、
いったん管理職(新中間階級)として雇用するケースも多いので、親が資本家階級で
あって、その子が 資本家階級及び新中間階級に属する比率になると、55.7%にも
のぼってしまうということ。

これはまさに「資本家」といわれる階級の人達が「世襲」や「同族経営」により
生み出されていることを如実に現しています。

私は「世襲」や「同族経営」の全てが悪いとは言いません。

でも、 中には 「能力」も「人望」もなく、さらに真剣に働いている姿を従業員に
見せることすらもない人が 単に社長の身内であるというだけで「資本家」になって
いるという現実があることはたしかです。

この本を読むと、日本は先進諸国の中では格差が大きいほうであって、貧困率も
高い(メキシコ、米国、トルコ、日本の順番)ということが書いてありますが、格差を
なくすことは不可能だし、仮に出来たとしても それが良いとは思いません。
ですが、格差や貧困の「世代間連鎖」が起こっていることをもっと問題視すべきと
思いました。


«  | ホーム |  »

プロフィール

global cosme

Author:global cosme
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ごあいさつ (8)
化粧品についてのご意見・ご感想 (42)
お知らせ (36)
社長日記 (996)
手抜きレシピ (18)
美味しいもの、店 (4)
おすすめの本 (13)
スキンケアと化粧品 (117)
書評 (10)
旅行、温泉 (1)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR