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2023-06

なぜ全成分表示偽装をするメーカーがいるのか。

以前のブログ記事で、化粧品の全成分表示のルールに抜け穴があり、その抜け穴を
利用して 配合した全成分を表示していない化粧品メーカーが存在することを
書きました。

化粧品全成分表示の規則にある「抜け穴」

そして、一般消費者の方でも出来る、全成分表示から怪しい「無添加化粧品」を
見分ける方法についても触れました。

全成分表示で怪しい「無添加化粧品」を見分ける方法


その後、お客様からご質問があり、なぜ そのようなことが出来てしまうのか?
化粧品の許可を取る際に役所はちゃんとチェックしているのですよね? と
いったことを聞かれました。

化粧品の場合、販売後に薬事法等の責任がかかってくるのが 「製造販売業者」なの
ですが、製造販売業者になること自体、自宅の1室などで4か月くらいの期間で
取れてしまうほど とても簡単ですし、化粧品製造販売業者になった後の、
個別の化粧品に対する「許可」というのは全くなく、役所に対して やっていることは
化粧品の「販売名を届ける」 ということ、だけなのです。

ですから、都道府県の薬務課など、役所の人が 個別の化粧品にどんな成分が入って
いるか ということを書類上でも チェックすることは 何か問題が起こらない限り、
まずありません。

販売名を届けるという作業だけで 毎日たくさんの化粧品が全国で生み出されて
いるのです。

化粧品の全成分表示が実施される以前は 「化粧品種別許可基準」というのがあって、
原料の規格が細かく定められており、販売名とともに配合した成分名を届ける必要が
ありました。

また、その当時は 化粧品の全成分表示前なので、「表示指定成分」だけを表示していた
頃でしたが、エキスの中にパラベンが入っているときは パラベンという
表示も必要だったのです。(「キャリーオーバーは表示しなくてよい」という
抜け穴は無かった)


私が思うに、指定成分のみの表示から全成分表示に移行し、販売名だけを届ければよい、と
いう現在の制度は 企業が悪いことをしない という「性善説」に立った規制緩和である、と
いうことです。

私自身も 最近までは このような全成分表示のごまかしをしているメーカーが
存在するなど、思いもしませんでした。

しかし、実際は 食品で産地偽装や、健康食品の表示の偽装があるのと同じように、
化粧品でも「全成分偽装」が存在したのです。

一見、薬事法 という厳しい(?)法律で縛られてコンプライアンスを守っているかの
ように見える化粧品業界が このような実態にあったとは・・・。

私が発見した限りでは 現在4社ほどの製造販売業者が 明らかな表示偽装の疑いが
あります。
ちなみに、その4社、また4社から化粧品の提供を受けた発売元のメーカーはどれも、
化学合成成分を一切使用していないかのような広告をしています。

実態を知ってしまうと つくづく呆れ返りますが、
誠実な表示、誠実な情報提供を行う という、一見 当たり前の姿勢を貫くこと
こそが 他社との差別化 にもつながるのだという意外なことが分かりました。


こだわりの無添加コスメ Global Beauty

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