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2023-06

ナノ粒子のリスクをどう考えるか

これから紫外線が強くなる時期になりますので、当社化粧品のお客様から、
どんな日焼け止めやファンデーションを選べばよいか?というご質問や
それらに使われている酸化チタン、酸化亜鉛のナノサイズの粒子の安全性は大丈夫か、
といったご質問を頂くようになりました。

結論から申しますと、ナノサイズの粒子の安全性の検証については まだまだ実験が
必要 ということです。

「安全」とも言い切れず、かと言って「危険」とも言い切れない、そんな状況だと
思ってください。

私も今までにたくさんの知見を目にしました。
化粧品のナノテク成分ついては 酸化チタンと、炭素同素体で最近抗酸化成分として
スキンケア化粧品によく使われるようになっている「フラーレン」に関する報告が
多いです。
(ナノサイズの酸化亜鉛やシリカに関する報告はまだ少ない)

しかし、日焼け止めに使うナノサイズの酸化チタンや酸化亜鉛については
リスク(危険性)とベネフィット(利益)を秤にかけて考えるべきと私は思います。

紫外線の肌や身体への悪影響を考えると、紫外線防止のために使用する酸化チタンや
酸化亜鉛が ナノサイズのもの(化粧品業界では100nm以下と定義しています)であっても
リスクに比べて、ベネフィットが はるかに大きいから使用する意義があるのです。

紫外線吸収剤には 人によって刺激もあります。
また、紫外線を吸収して熱エネルギーへの変換、また元に戻るという過程を
何時間も繰り返しているうちに、肌の上で分解して構造が元に戻らなくなる等のリスクが
あります。

ですから、日焼け止めにとって、紫外線散乱剤は 絶対に必要なのです。

それなら、ナノではなく、ミクロン粒子を使えば・・・と思われるかもしれませんが、
塗った時に 激しく白浮きする割には あまり紫外線散乱効果もない日焼け止めを
皆さんが使いたいでしょうか?

また、今現在報告されている数々の動物実験などでのナノサイズの酸化チタンの
危険性報告は どれも 皮下注射や経口投与、呼吸器への投与 という
肌の上に塗るという化粧品の通常の使用方法を超えたものです。

酸化チタンのナノ粒子の場合、健康な肌の上から塗った場合は 角質層の最下層までは
届かない ということが確認されています。
ですから、厚く塗っても 角質層の上や毛孔付近に堆積するのみであると。

もちろん、これは「健康な皮膚」の場合です。
健康でない皮膚やバリア機能が弱いアトピーの方の皮膚の場合の実験は まだまだ
今後 確認していかなければならない状況ですが、
それでも、角質層→顆粒層→有棘層→基底層という4層の表皮を超えて、
真皮まで達して しまうということは 考えにくいのではないかと思います。

そのような訳で、日焼け止めの酸化チタン、酸化亜鉛については ナノサイズであっても
リスクよりベネフィットのほうが はるかに上回るので、許容する という考えが
自然だと私は思います。

しかし、フラーレンについては 化粧品の抗酸化成分は 他にもたくさんあります。
他に抗酸化成分がない というならともかく、流行だからといって、これを敢えて
配合する理由が当社にはないのです。

フラーレンは 抗酸化力は優れているようですが、同時に「光増感物質」としても
働きます。

光照射でスーパーオキシドを発生させ、細胞毒性をもたらすという知見が多く
報告されており、この性質を利用してがん細胞を殺せないかという研究もされている
ほどです。


日焼け止めの酸化チタンの場合と異なり、化粧品に配合できる抗酸化物質は
山のようにたくさんあります。

化粧品の成分にも その時々の「流行」のようなものがあり、今流行っているからと
言って、毒にも薬にもなるようなものを化粧品に配合する理由は
私には理解できません。



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