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2019-10

海や川、湖に放射性物質のホットスポットができるメカニズム

1/21放送の
「NHKサイエンスゼロ 海と湖に広がる放射性物質 その実態を探る」を見ました。

海の泥の放射性物質検査で、海にも「ホットスポット」が出来ていることが
分かっていますが、このNHKの番組は そのメカニズムを分かりやすく
説明するものでした。

下記に内容をまとめてみましたので、番組をご覧になられていない方は
読んでいただければ、と思います。

+++++++

原発事故で大量に放出された放射性物質、その多くは海に落ちたとされている。
高濃度の汚染水が流れ出したことも確認されている。

国が事故直後に示した見解では
2011.3.26原子力安全保安院 西山審議官の会見↓
「海水中に放出された放射性物質は潮流に流されて拡散していく。
実際に魚とか海藻などの海洋生物に取り込まれるときは相当程度薄まると考えられる」
と、言っていた。

20111年11月 取材班は 日本海洋学会と地元の漁協と協力して原発20キロ圏内の海を
調査。

原発の目の前の海の中にロボットカメラを入れて調査。カメラには線量計がついて
いるものを使用する。

カメラが海底につくと、線量計の数値が上がり始めた。
カメラを原発の方向に進めると、線量計は2.25μシーベルトをさした。
泥の粒子が動くたびに線量計の数値が激しく変わる。
泥の中に放射性物質の微粒子が含まれていると思われる。
線量計は2.5μSV/毎時に達した。

事故当初、大気中から降り注いだり、汚染水として流れ込んだ放射性セシウムは 
イオンの状態で海水に溶けるため、海水の流れとともに薄まっていくと考えられていた。

しかし実際は 泥の粒子やプランクトンの死骸などにイオンの粒子が吸着されて
海底に沈み、放射線レベルの高い泥になっていたのだ。

海底から泥を採取して分析した結果、放射性セシウムが4520Bq/kg含まれていた。
(位置は原発の目の前のポイント)
泥やプランクトンによって海水中のセシウムが濃縮され、「ホットスポット」を作って
いたのだ。

少し離れると、原発の北側の海には100ベクレルを下回る地点もある。
しかし、南側を見ると、沿岸一帯は2000ベクレルを超える高濃度に汚染された場所が
あった。
しかも、このあたりは 昔から魚がよくとれる場所として知られていた海域。

魚の汚染の調査も行った。
9か月間漁が行われていない20キロ圏内の海で魚を水揚げし、汚染を調査。

メバル:2300ベクレル
アイナメ:1400ベクレル

このあたりで取れた魚の半数以上が暫定規制値の500ベクレルを大きく上回った。

海底をよく見ると、ゴカイがたくさんいた。
魚がよく採れるのはゴカイなど餌がたくさんいるから。
ゴカイを食べて魚が汚染されたのではないか。

泥がたまるところには 有機物を食べるゴカイなどがたくさんいて、それを餌として
いる魚も集まる。

海底土(泥)1/4がゴカイへ、その4倍がカレイへ と言う具合に移行している。

プランクトンでは 352~667Bq/kgの汚染だった。
(原発のすぐそばから15キロ位の沖合まで4か所で測定)

プランクトンを食べる魚の汚染が心配されるが、今回カタクチイワシを調べたところ、
意外にも9.0Bq/kgだった。
今後、イワシが 汚染された海域に長くいれば、汚染が高くなることが予想される。

イワシを食べるスズキは高い汚染レベルのものが1匹見つかった。

「20キロ圏内の魚は 調査のために取っているだけで、流通していない。」
「流通している魚についてはサンプリング調査を行っているので安心と言えるのでは
ないか。」
 ↑東京海洋大学 石丸隆教授の話
=======
ここで管理人注)
フォトジャーナリスト・広河隆一さんの話では 福島県沖で取った魚を名古屋まで
持っていき、関西圏で売っている人がいる、ことでした。
詳しくは 当ブログの過去記事 をご覧ください。

サンプリング調査の数もあまりにも少なく、「ザル」状態ですよね。
=======

群馬県の赤木大沼。
去年採られた湖で取れたワカサギから、640Bq/kgの放射性セシウムが検出。(8月)

その後、調査を続けた結果、ワカサギは1月になっても591Bq/kgと高い値が続いた。
イワナで692Bq/kg(11月)

赤木大沼は昨年9月に行われた文科省の航空機モニタリングで1kg当たり1000ベクレルの
セシウムがあることが確認されていた。

その後、昨年12月に現地の汚染調査が行われた。
湖の水は0.16Bq/kgと低い値。
しかし湖底の泥は950Bq/kgと高い値。
何故汚染が長く続くのか。

独特の地形が大きく影響していた。
赤木大沼は山の火山の火口部分にある。
湖の水が外に流れ出る経路はひとつしかない。
全ての水が入れ替わるのに2年半かかる。

閉鎖性の強い湖は 一度放射性セシウムが入り込むと魚に移行してなかなか抜けづらい。

湖の中にある放射性セシウムはまずプランクトンに取り込まれる。
それをワカサギが食べ、ワカサギの体にセシウムが移行。
そのワカサギが死ぬと、身体はバクテリアに分解されるが放射性セシウムは湖底に残る。
外に出ていく水が少ないため、赤木大沼の中だけで放射性セシウムが循環するサイクルが
出来てしまうのだ。

赤木大沼は地元の漁協がワカサギ釣りを自粛している。
もみ殻やゼオライトで吸着できないか、試しているところ。

淡水魚は放射性物質をなかなか外に出さない。
海水魚はキレイなところに移せば、比較的短時間に外に排出する。
「淡水魚の汚染は相当長く続くのではないか。」←東京海洋大学 石丸隆教授の話

「今のところ、福島県以外の湖では 赤木大沼以外は 暫定規制値を超える魚が
取れたという報告はない。しかし今後も注意してみていく必要がある。」
(NHK解説委員の発言)


26年前、1986年の春に事故を起こしたチェルノブイリ原発。
原発があるウクライナでは多くの湖が汚染され、今も国による調査が続いている。

魚に含まれるセシウムは最初の5年ほどで大きく減った。
しかしその後20年間、きわめてゆっくりとしか減っていない。

広島大学にチェルノブイリ事故のデータを使って、魚の放射能汚染がどんなふうに
減るのかを調べている研究者がいる。
土居秀幸さんだ。(テニュアトラック講師)
土居さんはヨーロッパ各国で測定された魚の汚染データを集め、その傾向を分析している。

集めたデータは北欧から地中海沿岸に及ぶ11か国。
81か所の湖のもの。魚の種類は58種類。

10年前後の長期にわたって汚染の変化を調べた。
プランクトンを食べる魚の場合 事故があった1986年に汚染のピークを迎え、
8年後におよそ100ベクレル以下に下がっている。

同じ湖に住む魚食性の魚では 事故の次の年にピークを迎え、100ベクレル前後まで
減ったのが14年後だった。

ひとつひとつのグラフのピークの高さやピークがいつ出るかを調べた。
魚の種類ごとに、汚染の減り方がどう違うのかを解析した。
その結果プランクトンを食べる魚は事故後、すぐにピークを迎えるのに対し、
魚を食べる「魚食性」の魚は汚染のピークが平均、8か月遅れることが分かった。

東京湾でもホットスポットが見つかった。
海底の汚染を調査したところ、872Bq/kgの放射性セシウムを含む泥が見つかったのだ。
場所は東京湾の最も奥。江戸川と荒川の河口域だった。

他の調査ポイントでは極めて低い値だったのに、なぜ河口域だけが高いのか。
流れ込んでくる水に原因があると考え、江戸川の調査が行われた。

江戸川のセシウム濃度の分布を見ると、河口から8キロほどの場所にセシウムが
蓄積しているポイントがあった。その量は1623Bq/kg
川底の泥にセシウムがたまっていた。

東京大学 鯉渕幸生教授の話
「塩分が高くなってきたあたりで粒子がくっついて沈む「凝集」が起こる。」

多くの川では 河口から海水がさかのぼってくる。
この海水が泥の粒子を凝集させるのだ。

凝集は 海水と淡水が接する境界面で起きる。
泥を含む川の水は海水より比重が小さいため、すぐにはまざらず、2つの層に分かれる。

しかし、しばらくすると、泥が沈殿し始める。
海水に含まれる塩分が「接着剤」となり、泥の粒同士をくっつけるため、粒が大きく
なって沈んでいくのだ。

こうした作用で泥に含まれる放射性物質が集まり、あらたなホットスポットが生まれて
いた。

このホットスポットの泥は大雨で増水した時などに下流へ向かって動くと考えられて
いる。

そして最終的には東京湾へと流れ込んでいく。

+++++++

といった内容です。

原発事故から まだ10か月ほど。 底魚や貝類、海藻の汚染はまだまだ長く
続きそうですし、比較的大きな魚食性の魚の汚染は まだまだこれからが本番と
言えるでしょう。

それにしても、汚染水が海に流れ出ても「海流で薄まるから大丈夫」とほざいていた
保安院や御用学者の大学教授たち、どう責任取ってくれるのですかね。

汚染の調査目的でしか漁ができなくなった福島の漁協の皆さんは 取った魚を
この無責任発言をした人たちに 買い取ってもらったらいかがでしょう。

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