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2021-05

遠のいた北方領土

先日のNHKスペシャル「北方領土 解決の道はあるのか」はすごく興味深かったです。

今までのロシアと日本の関係、交渉の流れがよく分かりました。
まとめると下記のような感じです。

もともと北方領土には17,000人の日本人が暮らしていた。

日本が敗戦し、ポツダム宣言を受け入れた後、ソビエトが「日ソ中立条約」を無視して
参戦。ソビエトによって終戦後の8/28以降に占領。日本人の住民は全て追い出された。
その後、日本は「千島列島」を放棄。
ソビエトとの交渉で、択捉島とウルップ島との間に国境線を引いた。

千島列島を放棄したが、北方4島は含まれていないというのが日本の立場。
その根拠は1855年に結ばれた「日露通好条約」である。
http://www.hoppou.go.jp/gakusyu/naruhodo/manga_41.html

しかしソビエト側はこのときに 千島列島と一緒に北方4島も日本が放棄したと
都合の良いように解釈。
「北方領土がソビエトの領土になったのは日本の敗戦の結果で、日本はそれを受け
入れるべき」と主張。

転機がきたのは 1956年の「日ソ共同宣言」。
「平和条約の締結後、歯舞と色丹を日本に引き渡す」という文言が盛り込まれた。
しかし、米ソの「冷戦」が激しくなる中、30年以上、その後の交渉は進まず。

89年にはベルリンの壁崩壊、91年に ソビエト連邦崩壊。

90年代になると経済の混乱状況の中、ロシアは日本からの援助に期待するようになる。
一番交渉が上手くいきかけたのは 故・橋本龍太郎総理のとき。

エリツィンとの交渉で、日本からの多額の経済援助と引き換えに、まずは北方四島が
日本の帰属であることをはっきりさせ、その後 時間をかけて住民のロシア人を
移動させる・・・という交渉を外務省がやっていたらしい。
エリツィンは大いに興味を示して身を乗り出し、話がまとまりそうな一歩手前まで
いったが、エリツィンの側近がこれ以上は、と制止し、「ロシアに持ち帰って検討する」
ということで終わり、その後、ロシアは日本側の提案を拒否。

初めて聞いた話で興味深いな、と思ったのが、それ以前、1950年代にもロシアとの間で
まずは「2島」で決着を図ろうとしていたことです。

1950年代、ロシアは日本への返還に備え、歯舞、色丹を無人島にしようとしていたが、
冷戦のさなか、北方領土をめぐる「日ソの接近」をアメリカが嫌う。
「2島で決着した場合、アメリカは沖縄を自国の領土にすると。」と、当時の
ダレス米国務長官が日本に通告。
それで、結局 領土問題を棚上げし、1956年日ソ共同宣言に署名。
「平和条約の締結後、歯舞と色丹を日本に引き渡す」とだけ記された。

その4年後、今度は 日米安保条約が結ばれたことにソビエトが反発。
2島を引き渡すとした共同宣言の合意を無視するようになった。

これに対抗し、日本は 「まずは2島」というそれまでの考えを捨て
「あくまで四島一括返還」の原則を掲げるようになった。

次に転機が来たのはプーチン政権のとき。
プーチンも当初は日本の経済支援に期待しており、「日ソ共同宣言は議会で批准されて
おり我々にとっての義務です。私はこの難しい問題について、日本と話し合うつもり
です。」という踏み込んだ発言をしている(2001年のNHKの取材に対し)

その後、2島返還論について、日本国内で厳しい批判が巻き起こり、2002年 鈴木宗男氏
逮捕。
対ロシア外交を混乱させた、と外務省の東郷欧亜局長も免職された。
この日本側の混乱を見て、ロシアは交渉意欲をなくした。

ロシアはプーチン政権の後半、石油や天然ガスなどの資源で経済が好調になるにつれ、
北方四島を重視する政策に変わっていく。

かつては貧しかった北方領土のロシア人住民も インフラ整備などで豊かになり、
住民の考えにも変化が・・・。(貧しい時期には北方領土は日本に返したほうが
いい、という考えの住民も結構いたらしい。)

そして、日本は ご存知のように 総理大臣が短期間でコロコロ変わり外交力や
国際舞台での存在感も低下。
ロシアはメドベージェフ大統領になって、プーチンの傀儡政権だと見られることを
嫌い、自らの存在感をアピールするために、より日本を挑発するような行動に出て
いるというのが今の状況ではないでしょうか。

今考えると、ソビエトが崩壊し、経済危機の状態にあったときが一番返還に近づいた
時期だったのでしょうけど、それを逃した日本。

北方領土にかつて住んでいた日本人17,000人のうち、半分は すでに亡くなっていて、
生きている方の平均年齢は77歳を越えているそうです。

最近の日本の外交のダメダメさ加減を見るにつけ、思うのですが 
元島民の方達が 故郷へ帰れる日は 残念ながら 遠のくばかりではないでしょうか。 

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