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2019-10

「腐った翼」の実態

これは 私が今年読んだノンフィクション本の中ではNo.1の評価をつけたいです。

腐った翼―JAL消滅への60年

JALについては 山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』とか、経営破たんしたときの
ニュースなどの報道で、乱立した労働組合の問題とか、年金問題などの実態を
知って呆れてはいましたが、この本は JAL創業期から現在に至るまでの
様々な問題が浮き彫りにされていて、とても興味深かったです。

この本を読んで思うに、JAL破綻に至った要因は たくさんありすぎて書ききれない
くらいですが、主なものを挙げると

●8つもあった労働組合
なんと、一番多い時期では10もの組合がひしめいていたそうです。
経営側よりの「御用組合」から、機長組合、客乗組合など職種ごとのもの、旧JAS系など。
日本政府のチャーター機の運行にまで支障をきたすほどの激しい組合活動をしていた。
経営陣は機長を全員管理職に昇格させることで、組合との距離をおかせようとするが、
これが 一時期は 機長の年収が3,000万円になったり、ハイヤーで送り迎えといった、
他社に比べ非常識なくらいの高待遇につながり、人件費の高騰につながる。

●円高ドル安になっていく中での、11年もの為替先物取引
飛行機の機体をドルで決済するので、先物でドルを買っていたが これが大失敗。
1ドル=184円で36億5700万ドルもの為替予約をする。
その後も先物予約を続け、18年間で2,210億円もの損害を出す。

●航空燃料の原油先物取引でも大失敗
JALグループの年間燃油費は3,768億円にもなり、1ドル燃油費があがっただけで
年間50億円の経費がかかるほど大きなもの。
この燃油費のリスクをヘッジしようと、航空会社は どこも先物で燃油を購入するが、
JALの場合は原油が上がったあとに投機的に大量に先物買い。その後、相場は
下がったので、時価で購入するよりも相当な「高値づかみ」をした結果になった。

●経営陣に官僚の天下りや政治家との癒着が続く会社の体質
歴代の社長、役員には官僚天下りが多い。
「運輸族議員」政治家との癒着についても本に書かれていて興味深かった。
政治家の名前を挙げると、亀井静香、古賀誠、二階俊博など。
特に亀井静香氏については 日本全国で主要な空港の警備を請け負っている会社である
ジェイ・エイ・エスの事実上のオーナーですから、ボロ儲けしているであろうと思われます。

運輸族議員や官僚に関しては 日本全土に100近くも空港を作り、採算の取れるはずの
ない路線にはJALを飛ばしてきた・・・この責任は 大きいですね。
二階氏が地元で深く関った「南紀白浜空港」のことも書かれていて、興味深かったです。

結局、政治家、官僚、社員、OB、歴代の経営者、大株主などが それぞれの利益しか
考えずに、JALという会社に「寄生」し、経営破たんに追い込んだのではないで
しょうか。

でも、そこに莫大な何千億円もの公的資金が すでにつぎ込まれているのですよね。。。

こんな「腐った翼」JALを 潰さないで温存したのは 果たして正しい判断だったので
しょうか・・・。

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