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2016-02

殺菌剤のトリクロサン、安全性に懸念ありとアメリカのメーカーで使用中止の動きが広まる

当社の化粧品に Global Beauty には もちろん 関係がない話ですが 
殺菌剤のトリクロサン(トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル)、
トリクロカルバン(トリクロロカルバニリド)は日本の化粧品基準において使用を
認められていて、有名メーカーを始め、多数のメーカーが使用している
殺菌剤、防腐剤ですね。

日本での基準は
 
トリクロサン は 化粧品の種類に関わらず 0.10% を上限

トリクロカルバン は 
「粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流すもの」 には 上限なし
「粘膜に使用されることがない化粧品のうち洗い流さないもの」 および
「粘膜に使用されることがある化粧品」には 0.30% を上限 

として、配合が認められています。

化粧品基準

これらの殺菌剤について、気に位なるニュース記事がありましたので、紹介します。



以下、記事からの転載です。


+++++++


抗菌剤は体に悪いのか――。

 この問いは衛生製品メーカーや研究者、環境運動家の間で持ち上がっている議論の
重要な争点だ。論争の成り行き次第では、抗菌剤を含む石けんやボディーソープ、
シャワージェルを利用する米国の数百万人に影響しかねない。
こうした製品を55億ドル(約6000億円)規模の市場に投入しているメーカーも同様だ。

 米食品医薬品局(FDA)は今年9月、特定の成分を含む抗菌石けん類が疾病を
予防する上で通常の石けん類より安全で効果的であることを実証するデータを
メーカーが十分に提示しているかどうかについて、判断を下すことになっている。
仮にFDAがメーカーにとって不利な判断を下せば、メーカーは製品を見直す必要が
出てくる。場合によっては製品ラベルから効能などの記述を削除する必要が出てくる
可能性もある。大手メーカーの多くは、すでに社会的な関心の高さを理由に
こうした製品の見直しを行っている。

 抗菌石けんなどに含まれる化学成分は数十年前から存在してきたものであり、
幅広い種類の製品にも利用されているものだ。ただ、そうした化学成分と人間の健康との
関連性を示す確たるデータは不足している。FDAが一部の化学成分について安全かつ
効果的だと最初に判断したのは1994年のことだ。だが、最も一般的に使用されている
トリクロサンには常に厳しい目が向けられてきた。FDAはこれまで一度も正式な動きには
出ていないものの、複数の研究でこの成分がホルモンの働きを妨害し、甲状腺や
生殖成長、発達機能などに影響を及ぼす可能性があることが示唆されている。

中には、抗菌剤を含む製品の利用が急増したことにより、長く使用されてきた抗生物質が
効かない抗生物質耐性菌が生まれていると指摘する研究報告もある。

業界と環境団体の対立

 FDAが行っている22種の化学成分を含む幅広い検証は、市場規模300億ドルの
衛生製品業界と環境団体や科学者らを対立させることになった。業界は抗菌製品が
安全かつ、通常の石けんより効果的だと主張している。一方の環境団体や科学者らは
そうした製品が通常の石けんより効果的と言えないばかりでなく、健康を損ねる危険性も
あり、使用を禁止するか、もしくは病院で危険な感染症との戦いに限定して使用される
べきだと主張する。

 両サイドともFDAに自分たちの主張の根拠となる証拠を大量に提出している。
それらは互いに相反するものであるため、平均的な消費者がよく理解した上で決定を
下すのは難しい。

 論争の焦点は1950年代に登場したトリクロサンと、60年代に登場した関連成分の
トリクロカルバンだ。トリクロサンは液体ハンドソープに加え、ボディーソープや化粧品、
学校用品、台所用品などに幅広く使用されている。この成分は抗生物質が菌による
感染を防いだり、治療したりするのと同じように、殺菌したり、菌を弱めたりする働きがある。
だが、抗生物質は疾病治療のために処方されるのに対し、抗菌成分は健康な人に
疾病の原因となる菌が拡散するのを防ぐのが目的だ。


抗生物質耐性菌の出現

 抗生物質があまりに長い間、広く使われてきたために、多くの種類の菌が耐性を
持つようになった。FDAや科学者の一部からは、トリクロサンのように環境に長く存在し、
体内に吸収される可能性のある化学成分もまた、こうした抗生物質耐性菌の出現を
助長していると懸念する声が出ている。ミネソタ州では新たな法律が制定され、
トリクロサンを含むハンドソープやボディーソープなどの製品の販売は
2017年1月1日から禁止されることになっている。

 一方、約140社が加盟する業界団体の米洗浄剤協会(ACI)は、FDAが求めている
抗菌成分の安全性や効果を示すデータの要件を満たそうと動いている。同協会で
技術・国際問題を担当するエグゼクティブ・バイス・プレジデントのリチャード・セドラク氏が
明らかにした。同協会はFDAに対し、トリクロサンの代替成分として3社が使用して
いる成分――塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロキシレノール――を
対象にしたルール作りを延期するよう求めている。安全性と効果に関する新たなデータを
提出する時間を確保するためだ。FDAは同協会の要請を検討中だとしている。


だが、ACIはFDAが「安全性に関して既に大量に存在するデータを無視した」との立場を
とっている。データは化学成分が皮膚についた菌の量を減らす上で有効であることと、
抗菌加工されていない石けんに比べて、より効果的であることを示しているという。

 別の業界団体、パーソナルケア商品協議会(PCPC)とともに、ACIはトリクロサンが
安全だという同協会の見解を裏付ける幅広いデータをすでに提出している。
それは、トリクロサンが数十年間にわたり安全に使用されており、世界中で広く
検証・許可され、人間に害を及ぼすとの直接的な関連性を示すデータはない、という
ものだ。

 業界団体は、抗生物質耐性菌の出現を抗菌製品が助長しているとの見方にも
反論している。彼らは、抗生物質耐性菌の出現は人間や家畜への抗生物質の
過剰投与が主な原因であると複数の研究で報告されていると主張している。

 さらに、抗菌製品を禁止すれば一般国民を菌にさらすリスクが高まり、年間で食中毒が
750万件発生し、保健衛生コストが380億ドルに膨らむと試算する。FDAの報道官は
この試算に対するコメントを控えた。


FDAの遅れた対応

 FDAは1978年、安全性と効果に関する十分なデータがないことを理由に、トリクロサンを
ハンドソープの成分として認めないルールを提案した。だが1994年に、化学成分の一部は
消費者向けの石けんに使用しても安全だとし、この提案を改めた。ただ、トリクロサンを
含む他の成分については、追加的なデータを要請し続けた。非営利団体の天然資源
保護評議会(NRDC)は2010年、理由もなく対応を遅らせているとしてFDAを訴えた。

 その後、両者は和解し、2013年にFDAは再度ルールを提案した。トリクロサンに関する
安全性と効果を裏付ける追加的なデータがFDAに提出されない限り、消費者向けの
製品には同成分は使用できないというものだ。和解調書に記載されたデータ提出の
締め切りが今年9月だ。ここで消費者向けの抗菌石けんに関する最終的なルールが
決められるほか、アルコールをベースにした製品を含む消費者向けの手指殺菌剤や
ヘルスケア用防腐剤に関するFDAのルール作りの期限が決められる見込みだ。

メーカーが受ける大きな影響

 FDAによる新たなルールが導入されれば、メーカーが受ける影響は大きい。
FDAは新ルールによる影響は最大3億6900万ドルに及ぶ可能性があると試算する。
当局は恐らく、どの製品であれリコール(回収)の対象とはしないだろうが、新たな基準を
満たさない製品を市場に出すことはできなくなるだろう。

 抗菌剤の入った「ダイアル石けん」を製造するヘンケルは2014年12月から、
消費者用ハンドソープや泡タイプの洗顔料などでトリクロサンの含有を中止し、
代わりに塩化ベンゼトニウムを使用し始めたと話す。
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も徐々に
トリクロサンの使用を止めている。両社はこの成分の安全性を示す証拠はあるものの、
社会的な関心の高まりを受けて、製品の成分を変更しているという。

 特定の抗菌剤の使用を中止する医療グループもある。医療サービス機関
カイザー・パーマネンテは病院内でのトリクロサンを含む製品の使用を禁止したほか、
それ以外の13種の化学成分についても使用を禁止したいものとして特定した。
カイザーの幹部、キャシー・ガーウィグ氏は「私たちは購買力を利用して、健康に
有害かもしれない成分を使うのは良くないというメッセージを伝えたい」と述べた。

抗菌石けんは安全か? 米FDAが9月に結論
大手メーカーの一部はトリクロサンの使用を中止

+++++++


殺菌剤の安全性に対する疑問はもちろんですが、殺菌剤の日常的な過剰使用による
耐性菌出現の問題、これらの殺菌剤が 環境中でなかなか分解されず、
それによる水棲生物への影響について、もっと 私たちは 敏感になるべきでしょう。

一部の米国の大企業がトリクロサンの使用をやめているようですが、日本でこの成分を
以前から使用している企業についてはそのような動きがあるとは 聞きませんね。

これらの殺菌剤は 薬用ハンドソープや薬用石けん、洗顔フォーム、シャンプー等、
私たちが 日常的に家庭で使うような商品にも 含まれているわけですが、
そもそも、医療現場で使うような場合を除けば そこまで 神経質に 手指や顔、頭皮を
毎日、殺菌剤入りの洗浄剤で洗う必要があるでしょうか?

私は 無いと思います。

殺菌剤が入っていない固形の純石鹸で 手指を丹念に洗うだけでも すすぎのときに
多くの雑菌は流れていってしまいますし、その後に 清潔なタオルやペーパータオルで
拭き取る、サラダ等の加熱しない生ものは 作ったら できるだけ時間をおかずに
すぐ食べるということを心がけるだけで 食中毒の危険性は ぐっと減らせますよね。

また、ニキビや顔やフケに悩んでいるからといって、頭皮をトリクロサンや
トリクロカルバンで殺菌することが 本当に有効でしょうか?
使い初めだけは有効でも 耐性菌が出現することは ないのでしょうか?

さらに、防腐剤として使用しているケースの場合、他に 選択肢は無いのでしょうか?
トリクロサンやトリクロカルバンよりも まだパラベンのほうが ずっとマシに思えますが・・・。

FDA、抗菌ソープの規則を厳格化

このようなことを メーカーも、消費者も 両方が考える必要があると思います。


こだわりの無添加コスメ Global Beauty


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